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episode11-2 正しい人
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その人は驚愕の表情を浮かべていたが、それはすぐに侮蔑の色に変わった。
「…何をしている?」
聞いたことのない低い声が俺に問う。
「客」…ではないらしい。
徐々にパニックが押し寄せてくる。
これってやばい状況なんじゃないのか?
「おい。聞いているのか?」
男は一歩踏み出そうとして床に散らばる白濁を見て顔をしかめ、足を引っ込めた。
「何をしているのか、と聞いているんだ」
男が俺を睨みつける。
端正な顔立ちを歪めて俺に対する嫌悪を隠そうともしない。
何を。
俺は何をしているんだろう。
「答えられないのか?じゃあ、クラスと名前を言え。すぐ分かることなんだから今言っても構わないだろう?」
クラス?
ふと自分がほとんど身体には残っていないが、秀英の制服が少し絡みついていることを思い出した。
俺が秀英の生徒だと思ってるんだ。
「…それも答えられないのか?」
身体が固まって動くことも、何か言葉を発することもできない。
予想もしなかった事態に完全に頭が麻痺していた。
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