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悪夢の正体 1
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智哉を見たらもう正気に戻って落ち着いていた。
「智哉?」
俺がそう呼ぶと、智哉は不思議そうな顔をしていた。
「何で、泣い、てるんです、か?」
智哉は両腕ごと抱きしめられていた腕を、自分の身をよじって、自分の腕を俺の束縛から
解放させて、そして、少し戸惑いながらも右手を俺の頬に触れた。
それで智哉は、泣かないでください、と、俺の目から流れた涙を自分の指ですくい上げな
がら、智哉はそう言った。
「智哉…あ!、智哉もう大丈夫なのか?」
「……はい。」
予想もしてなかった智哉の様子をしばらく見ていて呆然としていたが、すぐに我にかえった。
そして問うた。
智哉は小さくうつむきながら、小さい声でそう言った。
「そっか…よかった。」
「…う、ん。」
俺はそれを聞いて安心した。
俺はこれを聞いていいのかなと思いながらもその気になったことを聞いた。
…てゆうかよく思うといつの間にか涙がもうすでに止まってた。
「なぁ、智哉、これを聞くのもなんだけどさ、一体、夢で何を見たんだ?」
「ッ!!…そ、れは…。」
聞いたとたん智哉は一瞬、目を見開いて、すぐ目をそらして俯いた。
智哉が目をそらしたときに、目が涙で揺らいでいるのが一瞬だけ見えた。
やっぱ、聞くべきじゃなかったな…けど、何があったのか聞きたい。
智哉の見た悪夢を。
「智哉、教えてくれないか?別に怒ったり、嫌いになったりしないからさ。」
「……。」
話せそうに、ないな。
だって、智哉はああなるほど、怖い夢をみたんだからさ。
それにそれを、詳しく思い出すのも辛いと思うから…。
「やっぱ、無理だよな、無理言ってごめんな。」
そう言って今まで智哉に抱きついていた腕を一度ほどこうとした。
そしたら…
「やっぁ!!、待ってくださっ」
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