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結婚までの日々 4
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部屋につくと、俺とレノン王子はソファーに横並びで腰掛けた。
この今座っているソファーしか、座れるものがなかったのだ。
メイドさんがお茶とお菓子を用意すると、部屋の中にいた人たちは全員退出していった。
「ルナ王子と二人きりで話がしたかったのだ」
マジかよ。
ここは適当に色々話して、さっさと終わらせてしまおう。
「あの、レノン王子」
「なんだ?」
俺から話しかけると、レノン王子はこれまた嬉しそうにほほえんだ。
...なんか調子狂うな。
「その、本当に私と結婚しようとお考えなのですか?」
「そうだ」
「それでは、レノン王子は私のことが好きだということでよろしいですか?」
「そ、そうだ。私はルナ王子、あなたのことが、す、す、好きなのだ」
レノン王子は顔を真っ赤に染めながら、初めて俺に好きだと言ってきた。
まあ、俺の誘導があったからだが。
「でも、俺は男を愛せません」
俺はそう、はっきりと言い切った。
レノン王子は特に驚いた様子もなく、コクリと頷いた。
「もちろん、あなたが私と同じ気持ちでここにきたわけではないとわかっている。だが、私はあなたと結婚したい。だから、きっとあなたが私を好きになってくれると信じている」
「そんな、信じられても困ります!」
俺がそう言い返すと、レノン王子は悲しそうな顔になった。
なんでそんな顔するんだよ。
どうすればいいのか、こっちが困るじゃん。
俺は、とりあえず話題を変えることにした。
何かないかと探しているうちに、俺は大切なことに気付いた。
「あ、あの、アストカル国王への挨拶は、いつになりますか?」
俺がそう質問すると、レノン王子は不思議そうに小首を傾げた。
「それについては、ルファーンから説明を受けなかったのか?」
「すみません。その、説明は受けたんですけど、ちょっと聞き漏らしてしまったところがあって...」
「そうか。我が国王への挨拶は一週間後にしてもらう。今は用があって不在なのだ」
「そうでしたか。すみません、わざわざ説明させてしまって...」
うーん、聞いたような、聞いてないような...
「ルナ王子、説明を聞き漏らしたのであれば、私からまた説明させてほしい。何なら聞いていたのだ?」
「えっと、一ヶ月後に結婚式をあげることなら、聞きました。でも、他はあんまり覚えてなくて...」
殆ど覚えていない自分が、とても恥ずかしい。
「え...それでは、今夜からのことも聞いていないのか?」
「今夜?」
俺がそう聞き返すと、レノン王子は顔を真っ赤に染めながら控えめに口を開いた。
「今後のため、あなたは私と、今夜から一緒に過ごすことになるのだ」
.........なんてこった。
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