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記憶喪失
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颯斗が病名恋ワズライになってから1週間たった。
「心さん。お茶飲みますか?」
俺を忘れてるから、敬語で喋りかけてくる。
「いいの?お願いしますね」
明るい顔でキッチンへ向かう。
「心さん心さん!お菓子は食べますか?」
悲しいな。敬語で、しかも呼び捨てじゃない。
「うん、お願いするね」
すると颯斗は眉を下げてこう言った。
「心さん、なんで泣いてるんですか?」
はい?泣いてなんかないのに。
「泣いてないよ。笑ってるんだよ?」
フルフルと横に顔を振った。
「涙が出てます。」
「え?」
無意識に顔に手を当てていた。
すると涙がポロポロと流れていた。
「なんで心さん泣いてるんです?」
「何でもないよ、目にゴミがはいっただけだよ。」
颯斗は自分の服で涙をぬぐった。
服…。記憶喪失になってからプレゼントした服は一度も着ていない。
プレゼントしたのに。全然着てないじゃんか。
ああ。早く思い出してよ。颯斗。
そうすれば着てくれるし心って読んでくれる。
颯斗…。思い出して。
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