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夜
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蒼士くんとお別れしてから、
特にすることもなく部屋でだらだらと過ごした。
夜になると、倉木さんが夜ご飯を持ってきてくれた。
魚の塩焼きや味噌汁。和風の温かいご飯はとても美味しかった。
それから、お風呂に入った。
屋敷には大浴場もあるが、自分の部屋にある小さなお風呂を使った。
お風呂で僕は、鏡に写った自分を見た。
蒼士くんが言ったように、アザやムチで打たれた痕もある。 やせ細り、骨もうっすら見える。
こんなのと、おそろい、なんて言ってしまった。
今更ながら、失礼なことを言ってしまったと思った。
あの時、笑ってた彼は何を思っていたのだろうか。
たった数日、傷を受けなかった。
たった数日だけだが、アザは少し薄くなっていた。
このままいつかは消えるんだろうか。
綺麗になるんだろうか。
例え傷は消えても、記憶は消えない。
そんなことは分かっているが、
傷も記憶も消えてしまえばいいと思った。
記憶が消えてしまえば、お父さんのことをまた優しい人だと思えるかもしれない。もう怖くなくなるかもしれない。
けど、そんなことはありえない。
無理なんだって分かっているけど、
そうなればいいのにって思ってしまう。
こんなこと考えるのは、僕が弱いからだろうか。
ぼーっとしながら、お風呂に入り、
体の汚れを洗い、お風呂から出た。
その後は、部屋にあったパジャマを着て
ベットに入った。
見上げた、天井は昼に見た時と一緒で何も無い。
僕も、きっとこの天井と一緒で何も無い。
お母さんは何も無い僕に、幸せを与えてくれた。
けど、僕にそんな価値はあったのだろうか。。
夜になるとどうも変な事ばかり考えてしまう。
暗くて、静かな夜は変な気持ちになる。
僕はそれが嫌で、
まぶたを閉じ何も考えないようにして眠りについた
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