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解放(日向side)
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縄が解かれてすべての拘束具が床に落ちる。
「達実、さん。」
俺は、俺を助けてくれた人の名前を呟いた。
「早く帰りなさい。」
達実さんは何も言わせまいと、
俯きながらひとことだけ告げる。
俺は解放された。
...じゃあ達実さんは?
達実さんは、俺の身代わりになって
坂口啓人から酷い仕打ちを受けるの?
俺はこんなに穢れてしまったのに?
達実さんはまだ綺麗なのに?
俺は達実さんに歩み寄っていた。
一歩一歩達実さんに近付いていく。
達実さんはそんな俺を拒むように声を荒らげた。
「早く帰りなさいってば!!
嶺音くんが坂口啓人に銃で撃たれて
入院しているのよ、早く行ってあげて!」
達実さんの口から零れたのは衝撃の事実だった。
「分かり、ました。」
取り敢えず嶺音の元へ行かなければ。
ボロボロでもいい。嶺音は、今1人だから。
俺が傍に居てあげなきゃ。
俺は達実さんの横を通り過ぎる時に
ひとことだけ言い残すことにした。
「必ず.......から。」
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