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キミの元へ(日向side)
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俺は勢いよく坂口啓人の家を飛び出した。
数日前までは痛みなど感じずに
この道を歩いていたのに、今は歩く度に
ボロボロな身体が悲鳴をあげている。
痛い、痛い。だけど行かなくちゃ、キミの元へ。
「ぅあ...!」
ドサッと鈍い音を立てて崩れ落ちる。
足が、痛すぎて動かない。
前に進まない。
嫌だ、嫌だ!動けこの足...!!
俺は何のために達実さんに助けられたんだよ!
達実さんとの約束も守らなきゃいけないのに!
足が動かないから、
手を使ってゆっくりと這っていく。
必死で腕だけを動かす。
でももう腕も限界だ。
ダメだ、もう辿り着けない。
「くっそおおおおおお!!」
風が俺を笑うかのように強く吹いた。
俺の顔は、傷と涙でぐしゃぐしゃだった。
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