アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
言葉の魔術師
-
「…ありがとうございました。。。落ち着きました…」
あれから祐也は落ち着きを取り戻していた。
「いや!大丈夫だよ。また辛いことあったらいつでもおいで!!」
「…はい。でも…本当すみません。……恋夏先輩体調悪いのに。。。」
んー。。。今それ思い出した?俺の体調。
お陰様で先程から頭痛がやばいんです。
「大丈夫!さっ、落ち着いたならフリースペースに戻りな!じゃないとお仕置きされるぞ?」
「はい。ありがとうございました。」
…実際はあんなキャラだったのか。
なんかこのクラスの奴らは学年問わず演技してる奴が多いな。。。
皆、事の大小はあれど問題を抱えてんだな。
祐也が出て行った扉を見つめる。
人を殺した…ね。
俺も似たようなもんなのかね。
自分という人を殺した。
まぁ、他人と自分とじゃ違いすぎてるけどね。。。
でも言葉で殺したって罪悪感は半端ないと思う。
言うつもりじゃ無かった言葉。
つい口をついた言葉。
人を傷付けた言葉。
言葉って難しいもんなんだな。。。
昔、テレビに出てる番組の司会者さんとかが【言葉の魔術師】って呼ばれていたのをみた。
その時は特に凄い言葉も言っていないのになんで魔術師なんだろうって思ったけど今はわかる。
それが語彙の多さだけを言っているんじゃないと…
きっと巧みなトークと話の振りのことを言っているんだろう。
誰も傷つけず幸せになるだけのトークローテーション技術のこと。
人間は全然魔術師になれてないな。。。
そう、思った。
『…………………じじくさ。急に電話掛けてきたと思ったらそんな持論を聞かすため?なら切っていい?』
「ごめんなさいっ!!だから切らないでぇ!!」
今日考えたことを伝えてみたら伝える相手を間違えたみたいだ。
人選ミス…か。。。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
104 / 114