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学校から、父親へ連絡がいっていたらしい。ラインにメッセージが入っていたのは午前中、何気にスマホを見て今頃気付いた。
明日こっちへ帰って来ると書いてあるから、来なくて大丈夫だと返信する。だって、明日は平日だ。きっと休みを取って来ようとしてる。
「ぶんちゃん、このアパート?」
「あ、うん。」
急いで答える。駐車スペースに車を止めて貰って、一ノ宮の母親へ礼を言う。鞄を持って車を降りたら、二條まで鞄を持って降りて来た。
「部屋まで送るから。」
「いいよ、大丈夫。」
「よくない。」
二條が俺の手から鞄を取り上げ、一ノ宮へ先に帰ってくれと告げる。
「えー何で?」
その言葉と一緒に、俺も首を傾げる。
「ついでに看病。」
「じゃあ、俺も行く。俺の所為だし。」
「いいよ、二人とも。俺一人で大丈夫だから。」
あ、俺の言葉を無視して車を降りて来た。一ノ宮の母親は二人へビタミンや生姜を摂らせて、ゆっくり寝かせろとアドバイスして帰って行く。仕事の途中で抜けて来て貰ってるから文句は言えない。
「どこの部屋?」
「ほら、早く。」
急かされ、一階に五つ並んだ扉のうちの左端から二番目の扉を指差す。
「あの部屋。」
もう、看病を受け入れるしかない。先に立って玄関の鍵を開け二人を招く、おじゃましますと入って来た。
「お、いいな。」
「本当だ、瓶で飾るとおしゃれだね。」
二人は小さな靴箱の上を見てる。靴箱の上に溢れてた靴は処分したり片付けて、昨日の部活で使った花を瓶に生けてた。でも半分。もう半分はタンブラーに入れて食卓の上に。
玄関近くの狭い台所に二人が立ち、一ノ宮は俺を食卓やテレビを置いた部屋へ促す。
「ぶんちゃん、ほら着替えて寝てて、」
「ビタミンと生姜か…、冷蔵庫開けるぞ。」
「あ、うん。でも、あんまりろくなの入ってないけど、」
最近買い物してなかった。米はある。後は食パンとフレーク、卵…は切れてたな。牛乳は多分ある。で、果物も野菜もない。
「…ぶんちゃん…、」
「…お前、何食って生きてんの?」
二人の呆れた声を聞きながら、スウェットと長袖のティーシャツに着替えた。
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