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声の限り18
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「話変わるけどさ、福永って声出せないんだよな?」
!!
びっくりした。
話題がぶっ飛びすぎて、というのもあるが、二口が俺の声のことを察してたのが。
俺は頷く。
「やっぱそうか…。いろいろ不便だろ。原因とか聞いたらダメか?無理には聞かない」
二口は優しいな。
俺は首を振って、ルーズリーフを取り出した。
そこにシャーペンで、『転入の前日に両親が死んで、そのショックで声出なくなった。医者にはストレスが原因だって』と書いた。
二口はそれを見るなり黙り込んでしまった。
二口が黙ってしまったら会話が成り立たないんだけどな。
困った俺は、二口からルーズリーフをひったくって、『二口になら言えると思ったから教えたんだよ。だからそんな顔しないで』と書いて渡した。
「福永…」
二口の目に涙が滲んだ。
「!?」
「お前大変だったんだな。もっと早くに気づいてやれてたらよかったのに、ごめんな」
えっ。
まさか謝られるとは思ってもなかった。
けど、初めて本当の“友達”ができた気がした。
俺はまたルーズリーフに書いた。
『二口、大好きだよ』
「福永ァァァ!!」
『これからも友達でいてね』
「もちろんだ!俺たちもう親友だ!大好きだぞ!」
お互いにハグをした。
厚い抱擁。
なんかすごく安心してしまって、涙を堪えるのに苦労した。
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