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声の限り27
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二口は迷ってるみたいだ。
俺を退部させなければ自分が犯される。
その上茂庭さんにも危害が加わる。
どっちをとればいいかなんて目に見えてるだろ?
なんで黙ってる?なんで答えない?
「けーんじ。頼むから焦らさないでくれ。もう俺の勃ってんだよ」
二口にソレを見せようとする富江。
本格的にヤバい。
言え二口。
「福永退部させます」って言えよ。
お前の大事な童貞がかかってんだぞ。
茂庭さんも、部活のこれからも。
「ほら、無言じゃわかんねーだろ?それともヤってほしいの??」
「それは違うけど、えっと、えっと」
二口はまだ答えない。
「仕方ないな。ヤってる最中に考える?」
そう言って富江は二口のズボンに手をかけた。
やばい。
考えるより先に行動に出た。
「ふ、福永!?」
涙目の二口が叫ぶ。
クローゼットから飛び出した俺は、がむしゃらに富江を殴りかかる。
そして殴り返された。
さすが茂庭さんの肋骨を折った張本人。
かなり痛い。
口の中が血の味でいっぱいだ。
あまりの痛さに意識が遠のく。
「福永!!」
倒れかけた俺を、二口が支えてくれた。
辛うじて気絶しなかっただけ誉めてほしい。
「いきなり殴るなんて礼儀がなってないな。なに、ずっとそこに居たの?まぁいいや。本人が登場したんだから、直接聞いてみようかな」
富江はいやらしい笑みで俺に近づいてきた。
「退部する?どうする?」
答えは1つに決まってる。
俺はエナメルからルーズリーフを引っ張って、ありったけの力で書いた。
『退部するから二口や茂庭さんに絶対手出すな』
だって、茂庭さんの作り笑顔を見たとき決めたんだもん。
茂庭さんが心から笑顔になれるためなら何だってするって。
それが例え、俺がバレーを手放すことであっても。
だからお願い、茂庭さん。
俺の分まで笑っていてね…?
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