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不安。
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見慣れぬ道を歩きながら、俺は少し不安に駆られていた。
なんだかんだでここまで来ちゃったけど……嘘がバレたらやっぱり光汰、怒るかなぁ…。
坂口にも悪いことをしたし、二人に嫌われないだろうか。
数少ない…というか、ほぼ坂口と光汰としかまともな交流のない俺にとって、二人が離れてしまったらこれからの高校生活を一人きりで過ごさなくてはいけない。
俺だって、高校に入ってからは友達を増やそうとそれなりの努力はしてみた。
でもなぜか、それまでは普通に話してくれていたのに、俺の方に光汰が来るのを見ると慌てて何かしらの理由をつけては離れて行ってしまう。
不思議に思いつつもそんな生活をしばらく送っていると、最近では俺に話しかけてくれるのはあの二人くらいになってしまった。
だったら………こんな無謀なこと、やめておいた方がいいんじゃないか?
そんな考えが頭をよぎり思わず足を止めるが、やがて顔をさっと上げてまた歩き出す。
ここでやめたら男が廃る…自分で決めたことだし、最後までやり通そう。
だんだんと近づいてきた例の場所からは聞き覚えのある声がかすかに聞こえる。
嫌でも昨日の出来事を思い出してしまい、無意識に肩が震える。
この先に待ち受けているであろう恐怖に竦む体をなんとか奮い立たせて、俺は下げていたスクールバッグをぎゅっと胸に引き寄せた。
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