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電車1
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草野哲平。ただいま待ちぼうけ中。
影山と分かれてからどれくらい経っただろうか
今日俺は今村 岬という男に、放課後話があると言われたから今村を待っている状態なのだが…
いくら待っても来ない…!
あと3分待って来なかったら帰ろう。
そう心のなかで決めたその時、
教室のドアが開いた
入ってきたのは今村ではなく、矯正屋に会いに行っていた影山だった
「影山!大丈夫だったか?」
「あ、草野くん。うん、ちゃんとお金すぐ返せますって言ってきた」
「なんもされなかっただろうな!?」
「大丈夫だよ」
影山はくすりと笑ってから、心配してくれてありがとうと言った
本当に影山は変わった。
「…なぁお前、前髪切れば?」
「え?」
影山の前髪は鼻の下まで伸びきっていて、実際のところ俺もしっかり影山の顔を見たことがないのだ
「だから、前髪切れば?って。
お前せっかく笑ったりするのに隠れてたらもったいないじゃん」
「え…でも」
もじもじと俯いてしまう
「まぁ嫌ならいいけどさ。」
「く、草野くんが言うなら…」
「え?」
「草野くんが言うなら…切って、みよう、かな…」
歯切れ悪くそういった影山。
耳が赤いから多分顔も真っ赤だろうな
俺が言うならってなんだよ
そんな影山を見ていたらなんだか笑いが込み上げてきた
「なんだよそれ」
「べ、別にいいじゃん…!」
「いいけど、じゃ、帰ろうぜ」
「うん…っ」
結局今村は来なかったけど、俺は帰ることにした。
あいつのために時間を割くこともない
今日は、前髪を切ると決意した影山と帰る
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