アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
梶浦 駿太郎2
-
さすがに学校にライブのグッズを持っていくことはできないから1度家に戻る。
家の前には大勢の人だかりができていた。
何故なら今日はよもぎ餅が半額の日だからだ。『梶浦屋』と書いてあるデカイ木の看板が立ててある横の狭い路地をまっすぐ行くと店の裏につく。
そこが家の玄関だ。
その路地には真っ黒毛をした野良猫が一匹必ずいるからそいつを踏まないように気を付けなければいけない。
「ただいまー」
「お帰りなさいませ駿太郎さん」
奥から出てきたのは使用人の熊田。
40を越えたおばさんだ。
「今日はどこかお出掛けですか?」
「すぐ出る。めしいらねぇから」
「かしこまりました。気をつけていってらっしゃいませ」
熊田は頭を下げると居間の方へと消えていった。
ギシギシと軋む長い廊下。
少し黄ばんだ障子。薄暗くて木の匂いが漂うこの家を俺は好んでない。
もっと新しくて、なんなら洋風な家に住みたかったと心から思っている。
俺はさっさと準備を済ませて家を出た
路地の黒猫は俺が通る度にいつも飽きずにニャー、と鳴いて俺の後を着いてくる。
路地から外にはついてこないけど…
「ニャー」
「…いってきまーす。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
147 / 168