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はなし 4
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校舎裏にあるベンチにつき、二人で座る。
いまだにムスっとしている梶浦は無言でそっぽを向いている。
「…」
「…」
お互い何も喋らない。
スポーツ祭の練習時間はまだ一時間もあると言うのに…
とりあえず俺は梶浦に声をかけてみた
「おい」
「…」
まぁ無視だよな~。
だんだん俺が気を使っているのがバカらしくなってきたぜ
ん?
梶浦の腕に小さな傷があるのが見えた。腕組をしている
「なぁ、それどしたの?」
疑問に思って聞いてみる。
「…あぁ?」
そんなに苛立たなくても、、
「その腕の傷、何かに噛まれたのか?」
「ネコ。」
「え?」
「ネコに噛まれたんだようるせぇな!」
ネコに…噛まれた…?
おいおい何だよその可愛いエピソード!
「まじ?」
予想もしなかった答えに少し笑いを交えてしまった
「何で嘘つかなきゃなんないんだよ。」
「ネコ飼ってんの?」
「…別に」
相変わらずそっぽを向いている梶浦。
はぁ。体操服のサイズが小さい…かわいい。
「じゃあ野良猫にやられた?」
「…家の近くにいるネコ。触りすぎたんだよ」
「へぇネコ好きなんだ」
「そのネコだけ好き。」
「どんなネコなの?」
だんだん会話をしてくれるようになった気がする。
「黒い、ちっちゃいやつ」
ちっちゃいやつとか!お前かよ!!
と言おうとしたけど、絶対怒られるからやめとこう
「黒猫かぁ~いいな。
俺はネコ飼ってたぜ?俺が4年生の時死んじゃったけど」
「…」
「ポポっていう名前だったんだけどよ、俺んちの婆ちゃんにすっげなついててさ~可愛かったなぁ~。
梶浦はネコ飼わねぇの?」
聞くと、梶浦はうちは飼えないから、とボソッと呟いた。
少し悲しそうな表情で。
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