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佐井金之助5
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今日の1限は英語。
チャイムが鳴ると同時に町田先生が教室に入ってきた。
「号令お願いします」
俺は町田先生を、そんなに注目してみたことはなかったが改めてよく見ると確かにかっこいい。
ふと横を見ると、隣の席の奴が携帯を取り出し無音なカメラで町田先生を撮っていた…。
おぉ…ファンか…
心なしか町田先生の授業の時はみんな集中して聞いている気がする。やはり人気の先生は違うな…。
ニコニコと笑顔で授業を進める町田先生。
この人と、あの佐井金之助が…。付き合っているのか…。
想像してみたがなかなかしっくりこない。
とりあえず今日の部活の報告会で情報を聞いてみるか。
その日の授業は、記事のことばかり考えてしまいノートは真っ白だった
授業が終わり、次のスポーツ祭の練習の準備をしている時だった、
突然梶浦が俺の前に立ちはだかり声をかけてきたのだ
「おい。」
いつ通り眉間にしわを寄せて小さな体で俺を見下ろす梶浦。
…なんかいい匂いする。かわいい。
いいとこのお坊ちゃんは使ってる柔軟剤もいいものなんだろうな、なんて思っていたら梶浦が口を開いた。
「おい、見ろ」
「え?」
そう言って俺の机にドスンと置いたのは真新しい運動靴
「え、なに?」
「…っ」
急に靴を突き出されても、よくわからない。
「…ってきたんだよ。」
「え?なに?」
「だから!お前が言ってた靴!買ってきたんだよ!!!」
ああ!!
そうか!
俺の机に置かれた靴は、前にサッカーをするならとオススメした靴だった。色が違うからわからなかった。
まさか、わざわざその靴を買ってきたって俺に見せに来てくれたってことか!?
か、かわいい…。
「なんだよお前!お前がサッカーやるなら買ったほうがいいって言ったんだろうが!
これでもう下手とは言わせねぇからな!!フンっ!」
そう怒鳴り散らかすと梶浦はズンズンと教室を出て行ってしまった。
わざわざ…買ってくれたんだ…。かわいいな。
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