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さん。
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ぐるぐる……
ぐらぐら……
頭が揺れる。
ぼんやりとした意識で、僕は今の状況を理解しようとした。
空になったグラスやジョッキ。
モクモクと上がるタバコの煙に、騒がしい笑い声。
そうだ……。
僕は護くんに誘われて、合コンに参加したんだった。
でも場の空気に全然馴染めなくて、僕はお酒の力に頼ったんだっけ……。
無理矢理女の子と喋ってるけど、楽しくない。
派手めの女の子が、僕に腕を絡めて胸を押し付けてくるけど、興奮しない。
そこで改めて、僕は女の子を恋愛対象として見れないんだなと実感した。
ぐるぐる……
ぐらぐら……
なんか胸がムカムカする。
頭がくらくらして、気持ち悪い。
「じゃあもうこんな時間だし、お開きにしますかぁ!」
誰かがそう言った気がする。
みんな次々と外へ出るけど、僕の足取りはとても覚束なくて、護くんや女の子に支えられて外へ出る。
「あらら…、こりゃ飲ませすぎちゃったなぁ。
叶大丈夫かー?」
「う……、……。」
ぐらぐら……
ぐるぐる……
僕は地面に膝をつき蹲る。
「….…ごめ……、吐きそう……。」
「えっ、まじ!?ちょっ…待て!!今ーーーー
そんな彼の言葉を無視して、僕は盛大に吐いてしまった。
女の子が小さく悲鳴をあげる。
「あーあ……。吐いちゃったか……。
ちょっと待ってろよ。いま口拭うもの出すから。」
そう言って、僕の背中をさすりながら彼はポケットからティッシュを取り出そうとする。
ーーーーー「叶くん……?」
その瞬間、遠くでまーさんの声が聞こえた気がした。
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