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なな。
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side 天宮 叶
ぼんやりと、僕は目を覚ました。
辺りはまだ薄暗く、夜中だということが分かった。
ゆっくりと起き上がり、周りを見渡す。
「あれ、カナウ起きちゃった…?」
声がした方に視線を向けると、ベッドの脇にみぃちゃんが座っていた。
「ごめんね。カナウの家遠いから、私の家に連れてきちゃった。
具合はどう?気持ち悪くない?」
「うん…大丈夫。少し頭が痛いだけだから…。」
「そう、それなら良かった。」
しん…と辺りが静寂に包まれる。
「…………。」
何か話すのも気まずくて、僕は口を噤み視線を下に落とす。
「あのさ、カナウ。」
先に口を開いたのは彼女だった。
「……カナウが恋愛感情を抱いている人って、カフェのオーナーさん?」
「えっ……。」
その言葉を聞いた時、僕は頭が真っ白になってしまった。
「まーさんって、カナウが呼んでる男の人。」
「……なんで、それを……。」
手が震える。
顔に冷や汗が滲み、息の仕方を忘れてしまう。
(バレた……。
みぃちゃんに、男の人を好きだっていうことが。)
"気持ち悪い"
その言葉が、僕の脳裏に過ぎった。
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