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きゅう。
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次の日は大雨だった。
大学に行くのも億劫になってしまうほど。
少し気怠げなまま、授業を受ける。
帰り道、僕は『流れ星』に行こうと思って足を向けた。
すると、ポケットに入っていたスマホが震える。
(あ、まーさんからだ…。)
「もしもし…?」
迷わずに出ると、電話の向こうで少し慌てたまーさんの声が。
『あ、もしもし!叶くん!?
もしかして今俺の店に向かってる?』
「はい。向かってますよ…?」
『ごめん!今日は店に来なくて大丈夫!
実は俺急用ができちゃって、急遽お店をお休みにすることにしたんだ…。』
「そ、そうなんですか…。」
『うん…、本当にごめんね。俺が連絡し忘れてた。
今度叶くんに何か奢るよ。』
「いえ、全然大丈夫です…!今から向かおうとしてたんで、俺はまだ大学です。
むしろ今連絡してくれて助かりました。」
彼と幾つか会話を交わした後、電話を切る。
浅くため息をついた後、僕は来た道を引き返した。
(今日、バイト無くなっちゃったな……。)
傘をくるくると軽く回しながら、自宅へと向かう。
(………あれ?)
僕がマンションに入ろうとした時、何か大きい影のようなものを発見した。
近づいていくと、それは人間だった。
そして気絶しているのか、力無く壁に寄りかかったまま動かない。
「た、大変だっ……!」
僕は駆け寄って、その人の安否を確認した。
「大丈夫ですか……!?」
「っ、………。」
僕の声に反応し、グッタリと俯いていた顔が上げられる。
(う、……わ………。)
そこには、とても男前で綺麗に整った男性の顔だった。
まーさんと別の意味で、イケメンの人。
「………お前、だれ……?」
雨が降り注ぐ午後の木曜日。
僕は一人の男子と出逢いました。
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