アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ご。
-
*
ドキドキと心臓が騒がしくなる。
初めて見た、まーさんの不機嫌な顔。
ほとんど笑顔しか見たことなかったから、まーさんが口を閉ざしているのは珍しい。
(……まーさんが、僕に嫉妬……?)
嬉しくてつい、僕は期待の眼差しで彼を見つめてしまった。
……その横で、雪城くんが僕を見ていたとも気づかずに。
真理亜さんは頬杖をついて、面白そうにまーさんの顔を見ている。
「……はぁ………。」
やがてまーさんは観念したように、ため息を吐いた。
頼りなく眉を下げ、ヘラリと笑う。
「……真理亜の言う通りだよ。俺は彼に嫉妬してました。
全く大人気ないよね……。叶くんと雪城くんが仲良くしてるの見て機嫌悪くするとか……。」
嘘……。本当にヤキモチ妬いてくれてたんだ。
(もしかして……僕のこと、少しは恋愛対象として見てくれてる……?)
だが彼から発せられたのは、期待とは程遠い一言。
「今なら可愛いペットが、他の人に懐いちゃった時の気持ち……すごく分かるような気がする。」
ペッ……ト………。
まーさんの中で、僕はまだペットか……。
さっきまで期待していた気持ちが、ガラガラと音を立てて崩れ去る。
まだ頑張りが足りてないのかな……。
「あ、ペットと言っても例えだからね!叶くんは俺の癒しってことだから!」
「はい、分かってますよ。」
ヘコんでいるのがバレないように、無理矢理笑顔を作る。
(……そろそろ、偽物の笑顔は疲れてきたなぁ……。)
「……………。」
そう思っていると、突然その様子を見ていた雪城くんが口を開く。
「………俺だったら、そんな顔させないのに。」
コーヒーを淹れているまーさんの手がピタリと止まった。
真理亜さんは目を見開き、僕は思考を停止させる。
「……え………?」
「天宮さん。」
彼はカウンターから立ち上がり、僕の手を取った。
ゴツゴツとした男らしい手が、僕の両手を包み込む。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 83