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変なアイツ
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「べ、ベル君ッ、君の飼い主は一体っ!?」
目の前の光景に目が反らせないまま、俺は俺を見上げてくる犬に話しかけてみるが、彼はくぅっと小さく鳴き、それからずんずんっと大きな体を器用に動かして部屋の奥へと進む。
てか、汚ッ、そして臭いっ!!
若干潔癖で、生活能力……つまり家事全般できる人として許せないっ。
こんなにも広い部屋なのに、豪邸なのにっ!! 勿体なすぎる……。
はぁっとため息をつきながらベル君の帰りを待っていると、少しして紙を咥えて戻ってきたベル君。
「んー、なんだ、これ?読めってか?」
不思議に思いつつもその紙を受け取り、中身を確認。ちなみに、よだれが少しついていたのは気にしないことにする。
「はぁ!?掃除すんなって?ばっかっじゃねぇえの!?」
そこには俺が発した通りのここの家主の手書きの紙で、【掃除はしなくて結構。この状態が一番落ち着くからだ。それにこの部屋は誰にも綺麗にできないだろう。ベルホントがそのうち助けを求めに行くと思うが、気になさらずそのまま……】と長々とかいてある。
この部屋が落ち着くってどんだけ汚いんだよっ、こいつと思いつつも、誰にもできないという言葉で闘心が沸き立つ。
「く、くそおっ!俺をなめんなよっ!!」
というわけで俺は勢いに任せ、ベル君と共にこいつを救出&部屋掃除をするのであった。
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