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「カラカラの砂糖」
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ボクの体はたぶん、砂糖でできている。でも、普通の砂糖じゃなくて、水分を奪われた、カラカラの砂糖。
叔母さんからパイ生地をたくさんもらった。お菓子作りが好きな叔母さんが、たくさん作ってしまったものを分けてもらった。
砂糖をかけて食べると美味しいよ。
そう言われて、ボクは叔母さんの家から帰ると、早速生地に砂糖をかけ、オーブンで焼いた。オーブンなんて普段使わないから、少し手間取ってしまった。
こんがり焼けたパイ生地の上に砂糖。食べると砂糖はカラカラしていて、ああ、ボクのようだと思った。
若い頃とは違い、潤いを失った砂糖。中身は子供のまま、大人になってしまった。カラカラした大人に。
この前、5年付き合っていた恋人と別れた。
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