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利一にLINEで呼び掛ける。――今暇?――暇だけど。――パイがあるんだけど。食べに来ない?――うん、分かった。
ボクはまたパイ生地を焼く。実家の兄弟じゃなくて、利一を呼んだのは、どうしてだろう。寂しかったから?ううん、きっと利一に会いたかった、から。
利一とは、一度中学時代に付き合ったことがある。初体験は利一だった。でも、高校が別々になってから疎遠になって――、社会人になって、同窓会でやっと連絡を取るようになった。
インターホンが鳴る。利一が来たようだ。ボクは玄関を開ける。利一を迎い入れ、こたつに座らせた。利一にできたばかりのパイを持っていく。
「……アップルパイとかじゃないの?」
「……砂糖かけただけ。あはは。なかなか美味しいんだよ、これ」
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