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利一がパクっとパイを食べる。
「……美味しい」
「そうでしょ?」
利一と少し談笑して、時計を見る。まだ午後三時。もうちょっといてもらいたいな……。
「じゃあ、俺帰るわ」
え……。
「あ、ちょっと待って!」
「うん?」
「もうちょっと、ここにいて……」
ボクは……。私は利一に甘えているのか。大人になろうと思ったのに、なんで……。
利一はこたつに座り直した。利一に、話そうか。でも、利一に話してなんになるんだろう……。
「叶多、どうした?」
「あの……えっと、あの……。利一、あのね、ボク、恋人と、別れて……」
「男?」
「うん……」
目にじわっと熱いものが広がる。あれ、あれ……。
「子供っぽいところが、嫌だって言われて、でも、どうしたら大人になれるか、分からなくて……」
なんで、利一に話してるんだろう……。
なんで、利一の前で泣いているんだろう……。
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