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「すみません」
僕は目をパソコンに向ける。
コツ、コツ……。
式条課長が、僕の隣までやってくる。
「鈴原って、」
私はキーボードを打つ手を止めない。パソコンに向かう。
「俺のこと、毎日見てるけど、」
見たら、たぶん。
「誘ってるでしょ?」
見たら、たぶん、ダメなんだろうけど、でも、見てしまう。
私は式条課長に焦点を合わせる。
「誘ってますよ」
本当は、緊張して汗がでそうだけど。
課長の白い肌。長い睫毛、漆黒の瞳。潤った唇。
課長の顔が、近づいてくる。
ああ、やっぱり、
綺麗な人だなぁと思って、
僕は目を閉じた。
唇の果実を喰らう。
end.
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