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◎【苦手なセンパイ】 side月島
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僕は烏野高校に入った。
バレー部に入った。
落ちた強豪と言われてたからそんな本気で部活やってると思ってなかった。
...でも、同じ学年に同じポジションで小さくて...でも、なんか存在がでかい人が現れた。
ミドルブロッカーは身長がある人がやるポジションという理屈を覆した。
元の才能から違うんだ。
僕みたいな凡人は本能で動く天才には勝てない。
あんな努力の塊に...。
そんな考え事をしてると夏合宿で黒尾さんに挑発され、木兎さんの練習に付き合った。
...でも、正直1番言われたくないことを言われてしまった。
‘‘悠長な事言ってると、あのチビちゃんに いいとこ全部持ってかれんじゃねぇの?’’
...痛いくらいわかってる。
でも、だからといってがむしゃらにやろうとは思えなかった。
「なぁ、メガネくん、怒らせちゃったみたいで......。悪いね」
黒尾さん...。
「いや、なんのことですか?大丈夫ですよ、なんにも気にしてないので。」
いつもの営業スマイルで会話を終わらせようとした。
すると、黒尾さんは「ちょうどいいや」といい、僕の腕を引っ張った。
「なんですか」
「...メガネくん、俺に怒ってないならちょっと話聞いてくんない?」
「いいですけど」
体育館ではみんな休憩時間でガヤガヤしてる。
日向の声とか田中さんの声が特に聞こえた。
あー早く戻りたい。
「...俺さ、メガネくんのこと気になってんだよね」
僕の地元とは違い暑い東京は僕にはあっていなかった。
汗がブワッとでる。
特になにも運動したわけじゃなく、ただその言葉に焦りを感じたのか一気に汗が出た。
「...何言ってるんですか?」
「だーかーら!...メガネくん気になるから連絡先頂戴。」
あぁ、いつかは敵として当たるかもしれない相手として...ってことかな。
だったら、大地さんとかと交換すればいいのに。
「...僕より強いひとなんて烏野にたくさんいます。その人たちと連絡とった方が......」
「...メガネくん...そっちの方じゃないんだけど。」
...ん?
「いや、おかしいデショ。......黒尾さんもしかしてそっちの人なんですか?」
冷やかすようにそう言うと黒尾さんは「いや違う」と横に首を振った。
「ただ、メガネくんをみるとなんかすげードキドキするってか...。とりあえず、なんか気になるから連絡先くれないかなーって。」
...この人は僕をからかってるんだろうか。
「...からかいは嫌いです」
そういい体育館へ戻ろうとすると黒尾さんは俺の腕を掴んだ。
「...恋愛かはわからないけど...メガネくんのこと嫌いじゃないってのは本当だよ」
無駄に真剣な顔で僕の目を見た。
...そんなの明らかおかしいデショ...。
夏の暑さで顔が真っ赤になる。
...絶対この人の軽い言葉で真っ赤になんか...。
「...メガネくん顔真っ赤だよ」
「月島です」
「つっきーくん.........月島くん」
「なんですか。」
黒尾さんは僕の前に携帯をだした。
「...交換して?」
...電話帳に黒尾鉄朗と入るのと同時に、僕の『苦手な先輩』のリストにも追加された僕だった。
「よろしくな、蛍。」
覚えた言葉をすぐ使いたがる小学生か...っての。
ただ、この時はこんな人に100%惚れるなんて思ってなかった。
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