アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
「はよー、セイ。俺達も今日から高校生だぜッ」
「おはよ、弘樹」
家を慌ただしく飛び出たオレに声を掛けてくれたのは、幼馴染みの坂野弘樹(さかの ひろき)
オレと弘樹は幼稚園から一緒の幼馴染み。弘樹は幼稚園の頃からサッカー一筋のスポーツ男子で、176cmの身長に、はにかんだ笑顔が特徴的。
なんでこんなオレと一緒にいるんだろうとたまに不思議に思う程、弘樹はとってもいい人。そんな弘樹は、大事なオレの親友で。
「まさか高校まで弘樹と一緒に通うなんて思ってなかったけど、とりあえずまた3年間よろしくね」
「俺はセイと同じ高校で嬉しいぜ。こちらこそ、とりあえず3年間と、更に先もよろしくな」
「更に先って、意味分かんないよ。でも同じ制服なのに、なんで弘樹が着るとそんなにかっこいいの?なんか悔しいんだけど」
「セイは七五三みたいで可愛いぞ」
隣で歩く弘樹に頭をポンポンと撫でられて、オレは少し不機嫌になる。兄ちゃんにされるのは嬉しいのに、弘樹にこういうことをされるのは、なんだか子供扱いされているみたいで気に入らなくて。
「七五三って、オレそんなに子供に見える?やっぱり魅力なんてないのかなぁ……これからオレは兄ちゃんみたいに、大人な男を目指す予定なのに」
自分が子供っぽいのをわかっているからこそ、オレは兄ちゃんのことをよく知っている弘樹にそう呟いた。
「七五三は冗談。でも、セイはそのままでも充分魅力的だぜ?セイはお前の兄ちゃんと、自分自身を比べ過ぎなんだよ」
「魅力的って……ずっと一緒にいる弘樹に言われても、あんまり嬉しくない」
「せっかく俺がセイのこと褒めてんのに」
「褒められてる気にならないもん」
頬を膨らませて前髪をいじるオレの姿に、弘樹は爽やかな笑顔を見せて。馴れ親しんだ幼馴染みとの会話を繰り広げつつ、オレ達は駆け足で最寄り駅まで向かった。
遅刻するかもって急いでいたけれど、思いの外スムーズに高校まで辿り着く事が出来たオレと弘樹。
そんなオレ達が通う高校は、様々な学科があるんだ。
弘樹はスポーツ学科。オレは調理学科。
他には服飾学科、福祉学科、等々。
弘樹はもちろんサッカーで。
オレは調理師を目指して。
この春からオレ達は、此処で高校生活を送っていくことになるから。
「学科違うとクラスは違うのなぁ。今日はそれぞれの学科に分かれてのオリエンテーションだけだし、終わったら連絡入れるから、駅でメシでも食って帰ろうぜ」
「わかった、オレも終わったら連絡するね」
人見知りなオレが唯一、緊張しないで話せる親友と校門で別れると、オレは1人で自分のクラスまで向かうことにしたんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 917