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「何食って帰る?」
「んー、ファーストフードとか?」
待ち合わせた弘樹と一緒に、駅前のファーストフード店へと立ち寄り2人で向かい合って食事をしているオレ達だけど。
「ここのポテト、俺すげぇ好き」
付属のソースにポテトをつけて、満足そうにポテトを食べている弘樹は昔からご飯の事になると子供っぽい。今だって、頬にソースつけてることに気づいてないし。
「もう弘樹、ソースついてる」
オレはそう言うと弘樹の顔に手を伸ばし、フキンでソースを拭き取ってあげた。
「……ありがと」
俯いて小さく感謝の言葉を洩らした弘樹。
その姿がらしくなくて、オレは首を傾げる。
「セイ。そういう顔、反則」
「反則ってなに?意味わかんないよ。こっちがせっかく親切してあげたのに」
「そうじゃなくて……まぁ、いいや。とりあえずこれ食って帰ろうぜ」
なんだか、今日の弘樹はらしくないなって、食事中はそんな事を感じていたけど。駅から家までの帰り道、弘樹は満足そうにお腹を撫でながら歩いていた。
「あー、お腹もいっぱいになったし帰るか」
「弘樹ってご飯食べると、体力ゲージ全回復だよね」
「なんだよ、人をゲームのキャラみたいに。セイはもう少し食った方がいい。俺みたいに大きくなれねぇぞ。大人の男になるんだろ?」
「そうなりたいんだけど、なかなか成長期がこないんだもん。そのうち弘樹より大きくなるんだからっ」
オレは膨れっ面で弘樹を睨むけど、そんなオレに弘樹は複雑そうな顔をして言った。
「……セイ、そんな目で他の奴に近づくなよ」
「はぁ?ねぇ、そんな目ってどんな目?なんか今日の弘樹ムカつく」
「あぁ、悪い。そういう意味じゃないんだ」
「じゃあ、どういう意味っ!?」
訳が分からなくてオレは弘樹に問いただす。
「……他の奴らに可愛い顔して、潤んだ瞳で見つめるなってこと」
「やっぱり意味わかんないっ!」
オレは怒ってるのに、なんで可愛い顔とか潤んだ瞳とか言われなきゃなんないの。
さっぱり意味わかんないよ。
というより、本当に今日の弘樹はらしくない。そんな事を思いつつ、オレは弘樹の腕をバシバシ叩きながら、家までの道のりを歩いていった。
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