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「セイ、また明日。俺、迎えに来るから」
家の前まできて弘樹が呟く。
中学もなんだかんだで毎日の様に弘樹と登校してたし、迎えに来てくれる事が当たり前になっていたオレはいつも通りに弘樹と別れた。
「ああ、ありがと。また明日ね」
弘樹の背中を見送って、家の玄関のドアを開ける。
「ただいまぁー」
誰に言う訳でもなく、声をかけて靴を脱ぐ。
ふと下を見ると、まだ新しそうなスポーツブランドの黒いスニーカーがあった。
………兄ちゃん、こんな靴持ってたっけ?
この時に気がつけば良かったんだ。
兄ちゃんの靴のサイズより大きかった事に。
兄ちゃん以外の人がこの家にいた事に。
でも、今日の弘樹のおかしな様子に気を取られていたオレは、深く考えずに階段を登り、自分の部屋へと向かってしまった。
あれ?
なんかオレの部屋の方から甘い香りがする。
また兄ちゃんオレの部屋でアロマたいてゴロゴロしてるのかな?
入学のお祝いで、親戚の人からもらったナミダ形の加湿器。中にアロマオイルを数摘たらせば、蒸気と一緒にアロマオイルの香りが漂う。
兄ちゃんはその加湿器がお気に入りみたいで、オレの部屋に勝手に入ってベッドでゴロゴロとしている事がよくあるけど。
大学生って暇なのかな?
オレの勝手なイメージだと、大学生っていっぱい勉強してサークルとかあって、バイトしたりして楽しく学生生活を送ってる感じがするんだけど。
兄ちゃんって、普段何してるのか全然わかんないや。
そんなこと考えながら、オレは自分の部屋の扉を開けた。
……ガチャ
「兄ちゃん?またオレの部屋入ってんの?」
ッ?!!!!!!
兄ちゃんがいる。
そう思って入った自分の部屋にいたのは。
兄ちゃんじゃなくて、見ず知らずの男だった。
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