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「……オレの名前を知ってたのは、兄ちゃんの友達だったから……それで、上半身裸だったのも、煙草吸ってたのも、白石さんが兄ちゃんの部屋と間違えてたからってコト?」
オレは上目遣いで白石さんに尋ねてみる。
白石さんは笑って、そういうコトってこたえてくれた。
白石さんの話を理解してきたオレは、白石さんが兄ちゃんの友人で、こんな事になったのは、白石さんが兄ちゃんの部屋と間違えたからって事を理解する。
「……でも、なんでオレが星だって分かったの?それと、白石さんの甘い香りは何?なんでこんなにオレに触れるの?白石さんは二重人格なの?それと、それと……あ、いいなりってナニ?」
少しずつ話を理解してきたオレの頭から、新たな疑問が次々とうまれていく。白石さんは、そんなオレの質問にひとつずつこたえてくれて。
「真っ黒な髪に整った顔立ち。大きな目に伸ばした前髪。光からよくお前の話は聞いてっから、ひと目見てお前が噂の星くんだって分かった」
「そうなんだ、兄ちゃんオレの話するんだ」
兄ちゃんが少しでもオレの事思ってくれてるってだけで、なんか嬉しい。
「んー、俺の匂いは何だろーな?俺は光みたいに香水つけねぇーから、匂うならこの煙草じゃねぇーか?」
白石さんはズボンから煙草の箱を取り出して、銘柄をオレにみせてくれる。黒い箱に、青と緑のラインが入っているようなちょっとお洒落な箱だった。
「ブルーベリーの味がすんの。俺のお気に入りの煙草」
あの甘い香りは、ブルーベリーの匂いだったんだ。
「そんで、あと何だっけ?俺がお前に触れる理由だっけ?」
オレはコクンと頷いた。
「お前に触れる理由ねぇ……」
白石さんは少し考えてからオレを見てニヤリと笑った。そんな妖しげな表情をみて、オレは何を言われるんだろうと何故かドキドキしてまう。
オレの耳元で吐息と共にそっと囁かれた言葉は。
「……お前が可愛いから」
オレには理解し難い言葉だった。
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