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どのくらい白石さんにキスされてたか、ワカラナイ。ふと気づくと、ものすごく苦しくなってきて、オレは白石さんの肩を叩いた。
「ふぁっ、はぁ……」
「お前、息止まってたぞ」
オレの苦しさが伝わったのか、笑いながら白石さんはやっと唇を離してくれた。
オレのファーストキス……返して。
好きな人とするってずっと決めてたのに。
何でよりによってこんな意味わかんない人が相手なの。
オレは兄ちゃんの事が好きなのに。
兄ちゃんじゃなきゃダメなのに。
もうこの人、なんでこんな事するのっ?!
何故だか悲しくなってきて、鼻の奥がつんとしてきた。
「……なんでこんな事するのっ?」
泣きそうになるのを堪えながら、オレは白石さんに尋ねてみる。
「んな顔すんな、さっきも言っただろ?お前が可愛いからだよ。それと、いいなりって言ってもお前を悪いようにはしねぇーよ」
「き、キスされてんだから、十分悪いようになってんじゃんっ?!」
「それはどうかな?」
「どういうことっ?!」
「本当に嫌なら、殴るなり蹴るなり出来ただろ?」
「それはっ、ビックリしてたからで……」
「なら、もう1回してやっから。本当に嫌なら殴っていーぜ?」
「はぁ?」
もう1回とか無理!!
兄ちゃんの友達でも、どうでもいい。
絶対殴ってやるっ!!!!!
オレはそう思っていたのに。
白石さんから降ってきたキスは、さっきのキスとは違っていた。
「んっ、ふぁ…ンンッ!」
キスって唇と唇を合わせるだけじゃないの?
なんで舌が入ってきて、るの?
「ンっ……はぁ…っ…」
こんなキス、オレ知らないっ!
「あっ、ンンっ……はぁんっ……」
洩れる声が恥ずかしい。
こんなのオレの声じゃない。
部屋にはオレの恥ずかしい声と、くちゅっとした湿った音が響いていた。
オレの体からは力が抜けて、殴るはずだったオレの手は、白石さんに縋り付くように伸ばされていて。
「……こんなんでトロトロになっちゃって。お前この先どーすんの?」
やっと離してもらえたけど。
オレは白石さんを殴れなかった。
それは、力が入ってないってだけじゃなくて。
兄ちゃんが好きなのに。
オレはなんで白石さんのキスを受け入れてしまったんだろう?
オレがこの感情の正体に気づくのは。
もう少しだけ先のコトだった。
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