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「お前が俺のいいなりになりたくなくても、お前に拒否権はねぇーんだけど。お前、光が好きなんだろ?」
「……うん」
さっきのキスでボーッとしていたオレは、白石さんの質問に素直にこたえてしまった。
「さっきの威勢のよさは何処へやらだな。俺とキスした事、光にバラされたくねぇーだろ?それとも光に、お前が光の事好きだって伝えてやろーか?」
オレはさっきまで白石さんの唇が触れていた自分の唇をぐっと噛む。
こんなの脅しじゃん。
でも兄ちゃんには知られたくない。
兄ちゃんを好きな事も。
白石さんにキスされた事も。
何故だか抵抗しなかった事も。
出来る事なら今日起こった全ての事を。
色々と言いたい事はあるんだけれど、白石さんに反論する元気もなくって、オレは力なく頷いた。
「星、お前はいい子だな」
そう言って白石さんはオレの頭を撫でると、スマホを取り出してオレの連絡先を聞いてきた。
教えてないって言ってたら、光にバラすよ?って言われてしまい、オレは渋々、ブレザーのポケットからスマホを取り出す。
連絡先を交換して、オレのスマホに白石さんのラインと電話番号が追加された。
「俺の連絡には必ず出る事。電話に出れない場合、もしくは気づかなかった場合は、必ずラインする事。光には俺との事は秘密にする事。んで、俺の言う事には必ず従う事……いいな?」
「……もしも、守れなかった時はどうなるの?」
「光にお前の事、全てバラす」
あぁ……これからオレは、白石さんの言う事に逆らえない生活になるんだ。せっかく、オレは新しい高校生活を手に入れたばかりなのに。
「……分かりました」
白石さんは、満足そうにニヤリと笑うと、オレの前髪をかきあげて、ちゅっとおデコにキスをする。
「……っ!」
アーモンド色の瞳の中には、オレの真っ赤な顔がうつっていた。
「今日はこれくらいにしといてやるよ」
少しの沈黙の後、白石さんはそうオレに言い残し部屋から居なくなる。
オレの部屋には白石さんの甘い煙草の匂いだけが、いつまでも漂っているように感じた。
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