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光の家から駅までは歩いて20分程度。
俺はわがままな王子様と一緒に、駅までの道をフラフラと歩いていた。
「せいにお土産、何がいいか聞こうと思ったのに。疲れたのかな?朝から緊張して高校行ったし、制服のままベッドで寝ちゃってた」
家を出る前に、光は星に出掛けてくると伝えようとしたが、星は爆睡していたらしい。そりゃそうか。
あんだけ色んな表情したら俺でも疲れるわ。
「お前の弟って星くん?高校生になったのか?」
知ってるけど、てかつい数時間前まで触れてたけど。光から星の情報を聞き出す為に、俺はわざと聞いてみる。
「そうだよー。あんなに可愛いせいが高校生。制服姿もとっても可愛い。調理の授業もあるみたいだから、これからコックコートっていうの?そういうのも着るんだってー」
光は星の話になるとペラペラと話しだした。
「せいは恥ずかしがり屋だから、制服姿が可愛いって褒めたら真っ赤な顔するの。朝からお兄さんは、せいを抱き締めて満足だったよー。さっきの寝顔も隠し撮りしてきたしねっ」
そう言いながら光は、スマホの画面を俺に見せつける。そこには、あどけない表情で眠っている星の写真があった。
「お前どんだけ弟好きなんだよ」
口ではそう言いつつ、その写真を目にやきつける。
あとで星に、お前の写真を俺に送るようにってラインいれておこう。
「……せいは可愛いから。俺の事を1番に考えてくれるし。たぶんせいは俺の事、すごく好きでいてくれてると思う。だから俺も、せいにはちゃんとお兄さんらしくしていたいんだ」
「お兄さんらしく………ねぇ?」
「せいは『お兄さん』な俺が好きなんだよ。お前みたいに、俺に優しくしてもらえない人間が存在する事、せいは知らないから」
誰にも、知られたくない事の1つや2つはあるって事か。
「そんなにお兄さんに大事にされてんなら、星くんは幸せものだな」
俺の言葉に光は妖しい笑みを浮かべた。
「当たり前じゃん。俺、王子様だよ?」
王子様って普通自分で言わねぇーよ。
昔からコロコロと変わる光の態度や表情に、俺は未だについていく事が出来ないでいる。
光はきっと、俺より多重人格に違いねぇー。
そんな事を思いながら、目的地までと歩いていった。
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