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「……せいの作る料理の方が美味しい」
「お前なぁ。自分でこの店がいいっていったんじゃねぇーかよ」
「んー、そうなんだけど。せいが作る料理って食べると幸せな気分になるから、俺はせいが作ってくれる料理の方が好き」
そう言いながら光はカシスオレンジの入ったグラスに口付ける。そしてゆっくりと俺に話しかけてきた。
「それで?外面だけは優しいユキちゃんのハートを射止めたヒトの話を聞こうか」
「お前はさらりと酷い事言うのな。まぁ、確かに優しいのは外面だけだけど」
「出会い方は?どんな子?年上?それとも下?ちゅーとかしたの?あ、ユキちゃんの事だからもう抱いちゃった?」
俺の話を聞くどころか、光は俺に質問攻めだ。
抱いちゃったとか、綺麗な顔して言うなよバーカ。
「いくら俺が、来る者拒まず去る者追わずで女と付き合ってきたからって、流石に会ってすぐ抱くような趣味はねぇーよ」
「ウソウソ、抱くってのは冗談半分だけど。ユキちゃん、ちゅーはしたんでしょ?」
なんでこの男はこんなに勘がいいんだよ………。
「チッ、うっせぇー。教えねぇー」
「ユキちゃん図星だね?」
「ハァ?」
なんなんだよ、この王子は。
「ユキちゃんってば嘘つくの下手過ぎ。舌打ちするって事は、ハイそうですって言ってるようなもんだよ?」
「あー、キスはしたよ。これでいいだろ?」
「ねぇ、ユキちゃん。どんな子なの?」
なんで俺は光にこんな話しなきゃなんねぇーんだよ。
さっきから人からかって遊びやがって。
光と話すと調子狂う。
俺は小さな溜め息を吐き、テーブルの上に置いておいた煙草の箱に手を伸ばす。
「年下で、すっげぇー可愛いコ。会ったのはたまたま………偶然」
咥えた煙草に火を点けて、ひと呼吸した俺に。
「……ユキちゃんから女の子の事、可愛いって言うの初めて聞いた。いつも普通とか微妙としか言わない男なのに」
光は不思議そうな顔をしてそう言った。
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