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言われてみればそうかもしれない。
ただ、女の子じゃねぇーけど。
「でもちゅーしたって事は、告白されたんだよね?いつから付き合ってるの?」
告白?
付き合う?
告白なんてしてねぇーし。
付き合ってもねぇーし。
星は男だし。
キスはしたけど。
煙草を手に持ったまま、固まっていた俺に光はケラケラと笑って言った。
「ユキちゃんってば変態さんっ!」
「もう、なんとでも言えよ……」
俺はそう言うと煙草の煙を吸い込んでいく。
「好きだって相手に言われてもないのに、ユキちゃんから手を出したって事は、ユキちゃん相当お熱だねー」
「なんで、俺から手出したって事になってんだよ?」
「違うの?違うなら謝ってあげるけど?最初はどーせ、遊び半分くらいにしか思ってなかったんだろうけど。今じゃきっとユキちゃんの方がその子に夢中なんじゃない?」
「……違わねぇーけど。なんなんだよ、お前は」
煙草の煙を吐きながら、俺はへなへなと机に頭を預けた。俺だって良くわかんねぇーのに、勝手な事ばっかり言いやがって。
「ユキちゃんごめんね?本当は応援してあげたいんだ。ユキちゃんの初恋」
「…………はつこい?」
光は俺を見つめながら、今日1番真剣な顔をして俺にゆっくりと話し始める。
「ユキちゃんの事はね、高校からしか知らないけど………俺が知ってるユキちゃんって、自分から好きになった人が今までいないと思うんだ。でもね……今日のユキちゃんはなんか今までと違う感じがしたんだよね。だからもしかしたら、そのコがユキちゃんの初恋の相手なんじゃないかって思ったんだ……全部勘だけどね」
「光………」
「頑張ってね、ユキちゃん」
「ああ……」
なんだかんだからかわれるが、たまにみせる光の優しさが今はすげぇー嬉しく思う。
でも、光の言っている事が本当なら。
俺の初恋は可愛らしい男の子になってしまう……って、いやいや。ちょっと待て。
俺ってゲイなのか?
流石に光には言えねぇーし。
つーか、光の弟だし。
そんな事を考えながら、星の料理がいいとブツブツ言う光を眺めて、俺は酒と料理を楽しんだ。
「ユキちゃんと濃厚な話も出来たし、そろそろ帰ろっか」
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