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アイツ、今頃何してんだろ?
さすがにもう起きてるだろうし、光が買ったシュークリームでも食べているんだろうか。
煙草を吸いながらトボトボと、家までの距離を歩いていく。車に慣れると歩きってすげぇー面倒くせぇー。
あ、星の写真送ってもらうようにライン送っとこ。あとアイツの部屋から見える桜の写真も。
俺は歩きながらスマホを取り出すと、星にラインを送る。星の部屋から見える桜の写真と星の顔写真を撮って送る様にと。拒否権はない、そう付け加えて。
こんなもんでいいか。
拒否権はない………ねぇ。
俺はそんなに、今日初めて会っただけのアイツを縛り付けておきたいのか?
人間なんて、どれも似たようなモンだと思って生きてきたのに。今まで付き合ってきた女達だって、どれもどーでも良かったのに。
なんでアイツだけ、こんなに気になんだよ。
ただの可愛らしい男の子。
俺、アイツの事なんか何も知らねぇーのに。
知らないから気になるのか。
知りたいから気になるのか。
俺、自分で自分がわかんねぇーかも。
はぁーっと溜め息をつき、家の鍵を開ける。
大学に入ってから、独り暮らしを始めたワンルーム。風呂とトイレは別、キッチンは割と使いやすい。
やっと手に入れた自分だけ、俺独りだけの空間。
まだ誰も入れた事がないこの部屋。
女を抱く時はホテルを使うか相手の部屋だし、そもそも最近はバイトが忙しくて女どころじゃねぇーしな。
大学は光と一緒の大学だけど、学部違うし。
俺が好きなスポーツブランドのショップ店員のアルバイトは、君がいるだけで売り上げが伸びるからとギュウギュウ詰めでシフト組まれるし。
明日は昼からバイトかぁ。
今日はもうシャワー浴びて、寝よ。
光とのやり取りで疲れ切った俺は、ボーッとしながら風呂場へと向かった。
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