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「スポーツショップって何売ってるの?」
「あー、スポーツショップっていっても、今日行きたいのは、スポーツブランドの店だから。服とか靴とか雑貨とか色々」
「そっかぁ。弘樹は行った事あるの?」
「あるよ、というか割とよく行く」
「そうなんだ」
「小遣い少ない俺は、見るだけが殆んどだけどな」
ニカっと笑って弘樹は言った。
オレと弘樹は、学校帰りに寄る予定のスポーツショップの話をしながら学校まで向かって。
時々。白石さんからラインがきてないか、スマホを確認したけれど。桜の写真も既読のまま………返事はきていなかった。
「セイ、なんか今日ずっとスマホ気にしてね?誰かから連絡でもくんの?兄ちゃん?」
「ううん、そういうんじゃないんだけど………」
なんて言ったらいいんだろう。
というよりこんな事言えないよ。
兄ちゃんの友達って人からの連絡を待ってる。
なんて。
結局。弘樹との会話を上の空で聞き流していたオレは、知らない間に学校まで辿り着いていた。
「セイ、終わったら連絡するから」
「……うん、よろしく」
弘樹と帰りの約束して。
自分の教室へと向かおうとした時だった。
「あ、あのっ!!……青月くんだよね?」
オレは知らない生徒に呼び止められる。
「………はい?」
「あー、良かった。ボク、同じクラスの西野悠希(にしの はるき)っていうんだ。よろしくね」
オレよりも小さくて高めの声と可愛らしい笑顔に、オレは一瞬女の子なんじゃないかと思ったんだけど。胸にはリボンじゃなくてオレと同じネクタイだし、スカートじゃなくてズボンだから……。
オレを呼び止めた生徒は、どうやら同じクラスの男の子だったみたい。
「はい。よろしくお願いします」
オレはそう言うととりあえず教室へ入り、自分の机に鞄を置いた。
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