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「今日は、自己紹介とか席替えとかした」
今日あった事を弘樹と話しながら、スポーツショップまで向かう。
「俺、クラスの委員長になったわ」
「弘樹が委員長って。クラス大丈夫?」
「立候補が誰もいなかったから、なんかノリで立候補したら委員長になっちった」
「頑張ってねー。あ、そうそう。オレ、西野君っていう子と少し仲良くなったんだ」
「同じクラスのやつか?」
「うん。西野君に朝話しかけられて。オレの事カッコいいって言ってくれた」
オレは今朝の事を思い出して、ヘラヘラと笑いながら弘樹に話す。
「セイがカッコ良く見えるとか、そいつすごい視力の持ち主だな」
「西野君は、オレより小さくて可愛い男の子だったよ?だからオレがカッコ良く見えたんだよ」
見上げながら話すオレの頭を撫でながら、弘樹はニッと笑って言った。
「いくらその西野って奴がセイの事カッコいいって言っても、俺から見たらセイはやっぱり可愛いよ」
「もう、せっかくオレがカッコいいって話してたのにっ」
「あ、セイ。着いた」
「弘樹が言ってたスポーツショップ?」
「そう。中入ろっか」
オレが思い描いてた、スポーツショップのイメージと随分違うそのお店は、なんだかとてもオシャレだった。
「なんかすごくオシャレだねー」
思った事をそのまま声にしたオレに、弘樹はだろ?っと言って店内を見回す。
「ここに売ってるシューズがどうしても欲しくてさ。母ちゃんに言ったら、お金渡すから買ってきていいって言ってくれたんだ」
「弘樹のお母さん優しいもんね」
弘樹のお母さんとは、会った事がある。弘樹の家に泊まりに行った時とか、すごく親切に優しくしてもらったっけ。
「小遣いは少ないけど、どうしても欲しいって時はOKが出るんだ。まぁ、母ちゃんの匙加減だけどな」
そんな事を話しながら、弘樹は目的のシューズの売り場の前で足を止める。均等に色んなデザインのものが並べなれている中で、弘樹は赤色で黒のラインが入っているシューズを手にとった。
「このシューズ、普段使いもできるけどランニングシューズとしても使えるんだ。デザインもカッコいいし、俺よく走り込みするから」
「そうなんだ。弘樹足のサイズいくつ?」
「俺?27.5」
「デカ。んーサイズあるかなぁ?」
オレと弘樹がサイズを探していると、1人の店員さんがやってきた。
「お客様、何かお探しですか?」
聞き覚えのある声。
その声に驚いて顔を上げる。
そこには昨日の表情とはまるで違い、ふんわりと微笑む白石さんがいた。
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