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「このシューズの27.5cmのサイズありますか?」
弘樹がそう聞くと、白石さんはディスプレーの下にある在庫の中から、素早く商品を見つけ出してくれた。
「こちらですね。ためし履きされますか?」
「はいっ!」
弘樹は嬉しそうに白石さんと話しながら、サイズの確認をしている。
「このシューズずっと欲しくて。俺サッカーやってるんですけど、朝とか走り込みしたくて。でもトレシューでアスファルト走るのはって思ってた時に、このシューズみつけて」
「サッカーやってるんですね。僕もサッカーやってましたよ。アスファルトでのランニングも問題ないので、いっぱい履いてあげてくださいね」
ふんわりと笑顔の白石さんと、満足そうな顔の弘樹。
オレは何しにここに来たんだろう?
白石さんって大学生じゃないの?
というか、僕って。
笑い方も全然違うし。
白石さんサッカーやってたんだ。
こんな優しい顔もするんだなぁ。
「俺、他の商品も色々みたいから。セイも適当に、店ん中見てていいよ」
「え?あ……うん、わかった」
弘樹はオレにそう言うと、欲しがっていたシューズを抱えて、店内に消えてしまった。
「……星、お待たせ」
弘樹に取り残されたオレの耳元で、白石さんが囁いてきた。オレはびっくりして白石さんからそっと距離をおく。
「あのっ、なんで白石さんがここにいるんですかっ?!」
「それはこっちのセリフ。オレはここの店員さんね。そんでお前はお客様、OK?」
OKって言われても、オレよく分かんないよ。
今日は弘樹についてきただけだし。
でも今は、オレがお客様なんだから。
「お客様に向かって、お前はないんじゃないですか?」
オレはキッと白石さんを睨みつけてみるけど、白石さんはただふわふわと笑っているだけだった。
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