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「お前、今日ずっと俺の事考えてたろ?」
そう言ってニヤリと笑う口元。
この人は、やっぱり昨日オレが見た白石さんだ。
「あの……なんで?」
なんでこの人はオレの事がわかるのっ?!
「やっぱり、写真ありがとな。桜の写真もお前の自撮りも…………すげぇー可愛かった」
ドクン。
「ラインですぐ返事してやっても良かったんだけど、返事ない方がオレの事色々と考えるだろ?」
「…………性格悪い」
さっき弘樹に笑いかけてた人とは思えない。
「なんとでも言えよ。でもドキドキしたんじゃねぇーの?」
そう言って笑う白石さんは、本当に性格悪いと思う。
オレは今日1日中、白石さんからのラインの返事が来ないかとずっと待っていたのに。でもオレ、白石さんに可愛いって言われて、なんで少し嬉しいんだろう?
「そういやさ、さっきのシューズ買ってくれた子、あれお前のダチ?」
「…ん?あぁ、弘樹?幼馴染みだよ」
「ふーん、なるほどね」
「それより仕事しなくていいんですかっ」
「お前って泊りとか出来んの?」
「……はぁ?出来るけど」
白石さんは少し考えて、ニヤと笑った。
「今日の夜9時に、お前ん家の近くのコンビニで待ってろ。迎えに行くから」
ポカーンとしているオレに、白石さんは付け加える。
「親には、友達の家に泊まりに行くって言っとけよ」
「え?あのっ、はぁ?」
「わかってるだろうが、拒否権は……」
「ないんでしょっ?!」
オレがそう言うと、白石さんはいい子だと言ってオレの頭を撫でてくれた。ふわりと白石さんの甘い匂いがする。
「俺、仕事戻るから。お前は弘樹君とやらを探してやりな」
白石さんはそう言うと、他のお客さんのところへと姿を消していく。
残されたオレは店内をぐるぐる回り、弘樹を見つけ出すと足早に店を出る事にした。
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