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「いただきますっ」
オレは躊躇わずに口を開けた。
白石さんはフォークにパスタを巻き付けて、オレの開いた口に放り込む。
「………どうだ?」
厚切りのベーコンに、パスタに絡まるチーズと生クリーム、半熟卵のまろやかさと鼻に抜けていく黒コショウの香り。
「めっちゃくちゃ美味しいっ!!」
「なら良かった」
白石さんは嬉しそうに笑ってくれた。
「本当に美味しいです。………オレね、恥かしながら料理人を目指してるんです。だから今の高校に進学したんですよ。高卒と調理師免許が両方取れるから。将来は、自分の料理で誰かの役に立てたらなって」
「お前、将来の事とかしっかり考えてんのな。すげぇーじゃん」
「そんな事ないです。オレの料理で、多くの人に幸せな気持ちになってもらいたいって、そう思ってるだけなんで。まだ漠然とした夢なんです」
オレはあまりの美味しさに、マシンガントークで喋ってしまう。でもそんなオレの話を、白石さんはパスタを食べつつ、とても和かに聞いてくれた。
「こんなに美味しいカルボナーラ、オレ始めて食べました。白石さん料理とっても上手なんですね。オレ、白石さんが作る他の料理も食べてみたい」
「食べたいなら作ってやるし、なんなら作り方教えてやるから、一緒に作ってみるか?キッチン狭めぇーけど」
「いいんですかっ?!白石さんが良ければ是非、よろしくお願いしますっ!」
オレはぺこりとお辞儀する。
「お前って本当、可愛いヤツ」
白石さんはそう言うと、しばらくの間オレの頭をわしゃわしゃと撫でていた。
ご飯を食べ終えた後、白石さんは俺、シャワー浴びてくるから、これでも飲んでろってオレにホットココアをいれてくれた。
白石さんがお風呂から出てくる間、オレはふかふかのソファーでテレビを観ながら、ココアを飲んで待っていた。
白石さんって不思議な人だなぁ。
昨日と今日と全然違う。
意地悪だったり優しかったり。
まだ出会ったばかりなのに。
白石さんの全部に魅了されてく………。
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