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拒否権ないとか、誘拐されたらどうしようとか。
白石さんと話してるうちに、そんな不安は何処かにいってしまって。
ドライブもお泊まりも、すごいドキドキしてるのに。白石さんと話してると、何故だか安心してしまう。
ドキドキするのに、安心って変なの。
運転する白石さんも、キッチンに立つ白石さんも。
なんだかすごくかっこよく見えて………。
さっきは白石さんにいっぱい話しちゃった。
普段こんなにオレから話したりしないんだけどなぁ。
オレ、人見知りのはずなんだけど。
白石さんには色々話せるのはなんでだろう?
出逢い方が可笑しすぎて。
白石さんになら平気なのかな?
白石さんって不思議な人。
普段はショップの店員さんで。
兄ちゃんの友達で。
サッカーやってて。
運転上手で。
料理上手で。
4人兄弟の3番目。
オレなんでさっきから、白石さんの事ばっかり考えてるんだろう。白石さんを利用して、兄ちゃんの事を聞き出そうと思ってたのに。
白石さんから教えてもらえた兄ちゃんの事。
お友達の白石さんでも。
兄ちゃんってつかみどころのない人なのかも。
兄ちゃんは昔から本当に王子様みたいな人だったのに。白石さんは兄ちゃんが好きでやってる事だから、気にしなくていいって言ってくれたけど……。
白石さんって本当は優しい人なのかな。
あれ?
オレまた白石さんの事………。
オレはテレビを観ながら、白石さんの淹れてくれたココアを飲んで、色んな事を考えていた。
ソファーに置いてあるクッションを抱き締めて、壁にかけられた時計を見る。
11時前かぁ。
なんかちょっと眠いかも………。
「………星?」
「…………んっ」
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