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数回のコールの後。
『雪夜から連絡くれるなんて、嬉しいわぁ。何の用かしら?』
「ランにしか話せない事があるんだけど。今、いいか?」
『時間はたっぷりあるから話してちょーだい』
「………男に抱かれる時ってどんな感じ?」
『貴方まさかっ!!女に飽きて遊びで男も抱こうと思ってるんじゃないでしょうねっ?!』
あぁ、やっぱりうるさい。
このオカマ野郎。
「いや、遊びじゃねぇーよ。遊びならお前にわざわざ連絡しねぇーし」
『あらそう?それともやっと私を抱いてくれる気になったのかしら?』
「冗談じゃねぇーよ。俺からお前に連絡するって事はどういう事か………わかってんだろ」
『雪夜、貴方………』
「ねぇ……どんな感じ?」
『まぁ、いいわ。教えてあげるけど、男同士の恋愛は世の中タブーよ。お互いの周りの人間も、ゲイだと分かれば見方も変わる。興味本位でカラダの関係だけ求めるなら、女を抱いておきなさい。男同士である以上、自分も相手も一歩間違えば、お互いが傷付いて終わるだけよ…………』
「ラン………」
『相手がノンケの子なら尚更、男同士は抵抗がある。私も沢山悩んで傷付いたわ………。雪夜、人を愛した事のない貴方に、そんな恋愛が出来るかしら?』
「……………」
『貴方が初めて愛した相手がたまたま男だったなら、話は変わってくるけれど。それなら尚更、相手の将来まで背負って付き合う覚悟が貴方にある?その相手と一生、添い遂げて生きていく覚悟がないと、雪夜も相手もきっと…………壊れてしまうわ』
「…………」
『それでも、男を抱きたいと思う?』
一生を添い遂げる覚悟なんて、今の俺にはねぇーな。
アイツは料理人になりたいって、さっき将来の夢を俺に話してくれたばっかだし。
でも、それでも俺は…………。
『雪夜………』
「俺はッ……」
『本気なのね……………貴方が本気なら、その相手と沢山悩んで、2人で答えを出しなさい。雪夜…………私は貴方が好きだから、貴方が苦しむのは極力避けてあげたいの。私に出来る事なら、いくらでも力になってあげるわ』
「ラン………」
俺はランに、昨日の事から全てを打ち明けた。
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