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18歳以上ですか?
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ご飯を食べ終えると、白石さんは洗い物をしてコーヒーを入れていた。オレが片付けますって言ったら、準備してくれたから片付けはオレがやるって言ってくれて。
白石さんってなんでも出来ちゃうなぁ。
「白石さんってなんでこんなに料理上手なんですか?」
白石さんは、ココアの入ったマグカップをオレに手渡すとソファーに腰掛ける。
「高校の時、バイトしてたカフェのマスターに教えてもらったんだよ」
バイト?白石さんって兄ちゃんと同じ高校だって言ってなかったっけ?
兄ちゃんが校則でバイト禁止だから、お小遣い上げてって母さんに頼んでた気が……。
「あれ?白石さんって兄ちゃんと同じ高校ですよね?バイトって禁止じゃなかったんですか?」
「あ?お前よくあの学校バイト禁止なの知ってるな。表向きは知人の手伝いだったからいいんだよ、そんなもん」
そんなもんって、校則違反してますけど。
「白石さんって本当に19歳?」
「はぁ?年齢詐欺はしてねぇーぞ。免許証でも確認すっか?」
「なんか見た目も落ち着いてるし、25歳とか言ってもバレないですよ?あ、弘樹が白石さんの事かっこいいって言ってました。あんな大人になりたいって」
今なら少しだけ、弘樹の気持ちがわかるかも。
白石さんって確かにかっこいい。
「そりゃ、どうも」
白石さんは素っ気なくお礼を言ってオレを見てニヤリと笑う。
「お前は俺の事、かっこいいって思ってくんねぇーの?」
この人はなんでこういう事を平気な顔して言ってくるのっ!!
「料理してる白石さんは………かっ、かっこいいです…………」
オレは俯きながら小さい声で呟いた。
「料理してる俺って、具体的にどんな風にかっこいいワケ?」
具体的にって、この人はっ!!
「あ、あの……髪結んでるとことか………」
「あぁ、これか」
オレがそう言うと白石さんは、結んだ髪をオレに向けてくる。
オレは無意識に白石さんの髪に触れていた。
思ってた以上に柔らかい髪質で、とても気持ちがいい。
「白石さんの髪ってふわふわなんですね」
くしゅくしゅと触れてみたり、少し長い襟足の髪をくるくる指に巻きつけてみたり。オレが髪で遊んでる間、白石さんは抵抗しなかった。
「白石さんの髪って地毛ですか?」
「地毛だぜ。よく染めてるって勘違いされるけどな」
やっぱり地毛なんだ。
染めてるのかなって思ってたけど、染めてたらこんなにふわふわな髪質キープ出来ないもんね。
なんか白石さんだけカッコ良くてずるい。
「いいなぁ。オレ真っ黒だから羨ましい」
そう言いながらオレは白石さんの髪をひっぱってやった。
「いてぇーよ」
怒られるかなって思ったけど、白石さんはそう言って笑っていた。
しばらく2人で色んな話をして。
白石さんが出掛ける支度を始めると、オレも着替えをして荷物をまとめて車に乗った。
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