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「オレ、こんな格好で大丈夫ですか?」
オレは白石さんを見て呟く。
どこに行くかわからないけど、白石さんジャケット着てるし。オレ、パーカーじゃない方が良かったかな?
ブラックのスキニーに真っ白のプルパーカー、赤いスニーカーはオレのお気に入り。
「そんなお高い店じゃねぇーし。それにその服よく似合ってるぜ?」
オレが選んだ服じゃないけど。
なんか嬉しい。
「あ、ありがとうございます。オレ、ファッションにあんまり興味なくって。オレの服は兄ちゃんがいつも選んでくれるんです」
「さすが光だな。シンプルさが星の可愛さを引き立ててるぜ。パーカーのサイズが大きめなのも、光の見立て通りって事か」
白石さんはそう言いながら煙草を咥える。
白石さんってモデルみたいだ。
何着てても似合ってる。
部屋で着てたパーカーも、初めて会った時のシャツも、今のジャケット姿も全部。
「今から行くとこってどんな所ですか?」
「…………うるさいオカマ野郎の店」
「はぁ?それって変なお店じゃないですよね?」
オカマ野郎って。
オレは急に不安になってきてしまった。
「変な店じゃねぇーけど、ランっていう変なオカマ野郎が経営してる店。光も行った事ある店だから心配すんな」
「兄ちゃんも行った事あるの?」
「光は大学に入ってから連れてったよ、優と一緒にな。光が初めてランと会った時は、俺より美人がいるーってギャーギャー言って騒いでたけど」
兄ちゃんより美人な男の人って。
騒いでる兄ちゃんが想像できないけど。
「兄ちゃんが美人って言ったなら、ランさん相当お綺麗なんですね。兄ちゃん、俺より綺麗な男はいないって、冗談でよく言ってるから」
「ランは確かに美人だけど、年齢だけは聞くなよ。俺もランがいくつなのか知らねぇーんだ。歳聞くと機嫌悪くなるから気をつけろ。それさえ守れば、ランはいいヤツだぜ」
「ランさんのお店って何する所なんですか?白石さんは、なんでランさんのお店を知ったんですか?」
「ランの店は昼間はカフェで、夜はバーだ。元々は俺が中学ん時に、兄貴に連れられて入ったのが知り合ったキッカケ。その時に俺はランに口説かれて、よく話すようになったんだよ。変なオカマ野郎だけど、ランが作るメシは俺のより美味いから大丈夫」
カフェなんだ、なら良かった。
でも白石さんの料理より美味しいって、ランさんはすごい人なんだっ!!
「白石さんが作るのより美味いってすごい人じゃないですか? 美人で料理上手な人に、オカマ野郎なんて言っちゃダメですよ?」
「そのセリフは、そのままランに言ってやってくれ。きっと泣いて喜ぶから」
白石さんは遠くを見つめながら、オレにそう言った。
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