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3人でコーヒーを飲みながら、白石さんの事についてランさんが色々と話してくれて。
「雪夜を初めて見た時はびっくりしたわ。あまりにもカッコイイ男の子だったから、声をかけたら中学生だったんですもの」
「白石さんって、やっぱり年齢詐欺してるんでしょう?」
「してねぇーよ」
白石さんは笑いながらそう言うと、煙草を咥えて火を点ける。そんな仕草も大人っぽくて、かっこいいなんて思ってしまった。
「中学生なのに大人の雰囲気の雪夜に、私が一目惚れしたのよ。雪夜と少しでもお近付きになりたくてね。惚れた相手だから特別にお代はいらないわって言ったら、本当にいつでも来るようになっちゃって」
「タダでこんな美味いメシ食えるなら、誰だって来るだろ。この店、俺の実家から近いし」
「白石さんばっかりズルイですよ?!」
「確かにタダだったけど。高校入ってから急に、バイト出来るんだからバイトしなさいってランの知り合いの店で強制的に働かされたぞ」
「じゃあ、白石さんが料理得意なのはランさんのおかげなんですね。でも、やっぱり白石さんズルイですよ?カッコイイからってタダでご飯食べてたなんて………」
「その文句はランに言え。タダにしてたのは俺じゃねぇーし」
「ごめんなさいね?星ちゃん。私はそれだけ雪夜に惚れてたのよ」
困った様に笑うランさん。
「…………ランさんは今でも、白石さんの事が好きなんですか?」
「……好きよ。でも雪夜とどうこうなりたい訳じゃないわ。ただ、こうやって雪夜がお店に来てくれて、話が出来るだけで私は充分なのよ」
そう言って微笑んだランさんの笑顔は、とても綺麗だった。それにつられるように、微笑み返す白石さんの笑顔はどこか切なそうで。
よくわからないけど、大人には色んな事があるんだなってオレは思った。
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