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「星ちゃんはどうして料理が好きなの?」
ふとランさんにそう言われて、オレはゆっくりと話し始める。
「最初は母さんの手伝いで始めたんです。オレが作った料理を兄ちゃんが『美味しい』って言ってくれた事が嬉しくて。ある時、兄ちゃんが笑顔で『料理してるせいはとても幸せそうだよ。幸せを感じてる人が作る料理だから、せいのご飯を食べると幸せになるんだね』って言ってくれて。オレ何も出来ないけど、誰かを笑顔に出来る料理を作ってみたいって思ったんです」
「私も星ちゃんに美味しいって言ってもらえて嬉しかったわ。星ちゃん、その素敵な気持ちをいつまでも忘ないでね?その気持ちがあればきっと大丈夫よ」
ランさんはそう言ってオレの頭をふわりと撫でてくれた。でも、白石さんがランさんの手を振り払ってしまう。
「ラン、触んな」
「雪夜、いくら星ちゃんが可愛いからって独り占めするのはよくないわ。こんなに可愛いんだもの。少しは私にもわけてちょーだい」
「うるせぇーよ。連れて来てやっただけありがたく思え」
「相変わらずの性格の悪さね。私にそんな偉そうな態度、とっていいのかしら?」
ランさんは白石さんにそう言うと、白石さんの煙草の箱を取り上げる。
「ったく、これだからオカマ野郎は嫌なんだよ」
白石さんはそう言って、煙草の箱を乱暴にランさんから奪い取った。
「本当に貴方は昔から変わらないわね」
なんかランさんって白石さんのお姉さんみたいだ。
「…………オレね、最初は白石さんにオカマ野郎の店って聞いて、本当はちょっと不安だったんです。でもランさんって綺麗で素敵なお姉さんで、料理もすっごく美味しくて。オレ、ランさんに会えてよかったです」
オレがそう言うと、ランさんは白石さんが言った通り、本当に泣きながらとても喜んでくれた。
そんなランさんをみて、白石さんはオレの耳元で、言った通りだろ?って囁いて笑った。
とても楽しい時間を過ごした後、ランさんにお礼を言ってオレと白石さんは店を出た。
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