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ランさんの店を出た後、オレは白石さんと大きな池のある公園に来ていた。
「ここの桜はまだそんなに散ってないな」
白石さんはそう言うと、公園のベンチに腰掛ける。
オレはちょこんと白石さんの隣に座った。
少しずつ暗くなってゆく空と。
公園のライトに照らされる桜。
キレイ………。
だけど…………。
なんか切なくなる…………。
「白石さん。オレ、拒否権ないって白石さんに強制的に連れてこられましたけど、お泊りすごく楽しかったです。ありがとうございました」
「気にするな、色々と俺が好きでやった事だし。お前が楽しかったなら良かったぜ」
最初はどうなっちゃうんだろうって思ってたけど。
本当に楽しい時間だった。
「ねぇ、白石さん………?」
「どうした?」
「白石さんは、どうしてオレにこんな色々してくれるんですか?」
泊まりで料理も教えてくれて、優しくて料理上手なランさんも紹介してくれて。
オレが兄ちゃんの弟だから?
友達の弟だから、色々してくれるの?
「………お前が可愛いから」
白石さんは耳元でそう囁くと、オレの耳をカプッと甘噛みする。
「……っ、ここ外っ!!」
「誰も見てねぇーよ」
白石さんはアタフタして戸惑うオレを見てニヤリと笑っている。
………なんか悔しい。
「白石さんは………可愛い子だったら、皆んなにこんな事しちゃうんですか………?」
オレは何言ってるんだろう。
「可愛い人なら、き、キスもしちゃうし、昨日みたいなエっ、エッチな事とかも平気でしちゃうんですか………?」
気にしないようにしようって思ってたのに。
一度口を開いたら、止まらない。
「女でも男でも、白石さんには関係ないんですか?可愛ければいいんですか?オレは初めてのキスも、その……エッチな事も、こんなに意地悪されたのも、優しくされたのも白石さんだけなのにっ!!」
風が吹く。
桜はひらひらと散っていった。
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