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6-1 (雪夜side)
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朝起きて。
アイツと幸せな時間を過ごして。
ランの店行ってから、近くの公園で桜みて。
夜9時までにはちゃんと、家に送り届けてやるつもりだった。
なのに、アイツは。
ランの店であれだけ笑顔だったのに。
幸せそうにしていたのに。
急に。
今にも泣き出しそうな顔をして。
可愛ければキス出来るのかと。
可愛ければ誰でも抱けるのかと。
そう俺に問いただした。
光の事が好きなんだと。
つい3日前までそう思っていた筈のコイツ。
光に向けられていたはずの揺れる瞳。
真っ黒な瞳が俺をとらえる。
お前には関係ないと突き放そうとした俺は。
アイツの真っ黒な瞳にとらえられた。
それはまるで、俺を誘うように。
『………白石さんは、オレが拒否権ない代わりに、全部教えてくれるって。白石さんの全部、教えてくれるって言ったじゃないですかっ!!』
星は俺にそう言った。
高校生の子供に煽られて。
俺は何やってんだ……………。
そう思いつつも、俺の手は星へと伸びて。
ボソボソと話す星の唇にキスをする。
煙草の灰が落ちる前に、足で踏んで火を消した。
星の肩へ頭を乗せて。
俺の初めてはお前だけだと。
初めて自分から触れたい人だと。
そう伝えた。
正直に話した内容を、嘘と言われて笑ってしまう。
色々と話してやりたい事はあった。
でも、雨が俺の邪魔をする。
天気予報くらい確認しておけば良かったと。
そう思いながら星の頭にジャケットを被せ、車まで戻った。離れないように手を握って。
一瞬で本降りになった雨に。
俺も星も、ずぶ濡れだった。
寒そうにする星をぎゅっと抱き寄せて。
強引に唇を奪う。
抵抗する事もなく、俺を受け入れる小さな唇。
漏れる声に。
吐息に。
濡れた身体に。
欲情していく…………。
唇を離し、苦しそうにはぁーっと息を吐く星に。
『悪りぃ……今日、お前を帰してやれそうにない』
俺はそう呟いていた。
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