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恐怖でギュと目を瞑った瞬間。
聞こえてきたのは、白石さんの声だった。
その声に反応して、呪いが解けたように兄ちゃんにいつもの笑顔が戻っていく。
「せい、ごめん。怖い思いさせちゃったね」
兄ちゃんは優しくオレにそう言うと、そっと手を離してくれた。
「ッ………」
怖くて、なにがなんだか良く分からなくて。
そんな時に聞こえてきた、白石さんの声。
オレは白石さんがいる事に安心して、白石さんに勢いよく飛びついた。
「……星、大丈夫だから」
白石さんのあやすような声と温もりに包まれて、堪えていた涙がぶわっと溢れてくる。
「白石さんっ!!」
オレは兄ちゃんがいるのも忘れて、白石さんにぎゅーっと抱きついて泣いていた。
そんなオレを、白石さんは強く抱き締めてくれる。
「……俺の勝ちだな、光」
オレを抱き締めながら、白石さんはニヤリと笑って兄ちゃんに言った。
何が……どうなってるの…………?
「んー、強引に押せばイケると思ったんだけどなぁ。嫌よ嫌よも好きのうちっていうじゃん?」
兄ちゃんはそう言うとヘラヘラと笑っている。
「あれじゃ、タダのレイプだろうが。お前の性癖ヤバくねぇーか?俺が止めなかったから、お前何処までヤるつもりだったんだよ?」
「ユキちゃんが俺に妬くまで何処までも?」
「お前、性格悪過ぎ」
「えっ?あの…………はぁ?」
「しょうがないなぁ。許してやるよ、ユキ」
「サンキュー、光」
こんな状況なのに笑い合う2人。
オレ1人だけ、この状況についていけてない。
…………みたい。
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